33 / 498
イジワルな恋心 7
「単なる噂だろ?まだ付き合ってるって決まったわけじゃねーじゃんか!」
「なにムキになってんだよ、おまえも桜子ちゃん狙い?可愛いもん…」
メロンパンは不味くなるし、なんかすげーイラついて、
「違げーよ!!」
自分でもびっくりするくらいデカい声で否定してた。
「なんだよ大声出して、へんなの~」
モヤモヤしたりイライラしたり…なんなんだよ。
そんなはっきりしねー気持ちを捨てるかのように、食べ終わったメロンパンの袋を丸めてゴミ箱へ押し込んだ。
こんな風に全部丸めてゴミ箱に捨てたいぜ……めんどくせー
*
火のないとこに…なんだっけ?
そんなことわざ通り、噂は瞬く間に広まって、今学校で一番トップニュースって言ったら、橘と黒瀬先輩のことだ。
朝も一緒に登校してたとか、帰りは校門で待ち合わせて一緒に帰るとか、屋上でキスしてたとか、芸能人かよってくらいその話題ばっかり。
確かに、生徒会長と副会長でしかも美男美女ときたら目立つに決まってる。
そして、噂が立ってから初めての生徒会役員会議。
気にしてないはずなのに、今日のメロンパンも美味しくなかった。
はー……
なんでため息なんだ。
またモヤモヤしてきやがったぜ。
「…失礼しまーす」
とりあえず無になろう…なんも考えなきゃモヤモヤしねーんだ。
なのによ、無になろうってさっき決めたのに、
「……………あ…」
室内に居たのは橘1人。
なんだか…久しぶりに会った橘を見た瞬間、心臓がドキッとした
なんだよ、なんで1人で居るんだよ。
ともだちにシェアしよう!