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イジワルな恋心 10

会議中、話の内容なんてまったく頭に入ってこない。 目の前の橘と黒瀬先輩が話をしてるだけで、どうしようもなくモヤモヤする。 でも、美男美女でお似合いだし、俺はコロッケパンの合間の焼きそばパンだったわけだし、すっぱり忘れよう…… アイツに関わるのはもうやめよう。 モヤモヤしてる気持ちに無理矢理フタをして、資料に視線を落とした。 そして、いつの間にか会議は終了。 橘と黒瀬先輩はというと、一緒に生徒会室を後にして帰っていった。 「なぁ、渚?」 「なんですか?」 俺とほっしーが帰り支度をしてるのに、望月は白衣のポケットからタバコを取出しながら話かけてきた。 「なんか、元気ねーな。」 「そんなことないですよ。」 こいつ案外鋭いな。 「俺が慰めてやろーか?」 「…………ッ。結構です。」 教師が、んなこと普通言うか?! 「だってさー今日ずーと、今にも泣きそうな顔してっから。渚のその顔、妙にクるんだよ。」 はぁ?クるって何がクるんだよ、生徒誘惑してどうすんだ。 タバコを口に咥え俺に近寄り肩に触れようとした時… 「相原くん、一緒に帰りましょう!!」 ほっしーが割り込み俺の腕を掴んで引っ張ってきた。 「ほ、ほっしー……」 ほっしーの意外な行動に望月は固まってたけど、俺の頭をひと撫でし気を付けて帰れよと言って窓辺に行ってしまった。

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