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イジワルな恋心 12
*
「ただいま~」
「渚~?すぐに夕食だからすぐに降りてきなさいよー!」
かーちゃんに適当に返事をして二階に上がり、部屋に入り制服を脱ぎ部屋着に着替える。
ここ数日の俺の日課…鏡の前に行き、首筋を確認すること。
アイツに付けられたキスマークは意外と向井にもバレずにすんでるし、大分薄れてきてもうほとんど消えた。
「バレる前に消えてよかったぜ」
「……にーちゃん、何がバレるの?」
「なっ、何で湊がいるんだよ?!」
俺の2つ違いの弟、湊(ミナト)が気付いたら部屋に入ってきてやがった。
「だって、かーちゃんがにーちゃん遅いから呼んでこいって言うから来たんだよ、でっ、それ虫刺されじゃないの?…もしかして」
「うっうるせー!虫刺されに決まってんだろ!」
あわてて首筋のその場所を隠す。
「なんでそんな焦ってんだよ、俺…キスマークだって気付いてたよ?」
いつから…って言おうとしてハッとする。
そんなこと言ったらキスマークって認めたことになるじゃねーか。
また墓穴掘るとこだったぜ……あぶねー
「キッキスマークなわけあっかよ、それに…相手いねーし!」
と、言って後悔した。
言った瞬間脳裏に浮かんだ橘の顔。
「にーちゃん顔真っ赤だよ、可愛いー」
「弟のくせににーちゃんをバカにするな!違うって言ってんだろ?!」
「だいじょーぶ、誰にも言わないから!…じゃあ、先に行ってるよっ。」
「だから違うって言ってんだろ!おいっ!湊!!」
くっそー
湊のやつ………
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