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イジワルな恋心 13

食卓に着くと、向かいに座ってる湊が俺を見てニヤニヤしてる。 こいつ……あとで覚えとけよー!! 湊を一睨みして、俺は目の前の肉じゃがに箸を伸ばしす。 「明日は夕方、雷の予報だから渚と湊は傘持って行きなさいよ?」 とっくにメシを食い終わったかーちゃんがテレビの天気予報を見ながら話し掛けてきてたけど、俺は肉じゃがに夢中で話なんてほとんど聞いてなかった。 そして次の日、まんまと傘を持参するのを忘れた俺。 まぁ、いっか。 雷雨なんてすぐ止むだろうし。 見上げた空は晴れ間も射してて天気が崩れそうにもねーし、大丈夫だろ。 軽い気持ちでいつものように登校し、教室へ向かう。 「おはよー向井」 「相原!黒瀬先輩が相原に用事があるってさっき教室来たんだよ。」 なんなんだ、朝っぱらから。 俺に黒瀬先輩が用事ってなんだろう。 「ふーん。で、もう戻っちまったのかよ。」 「いや、教室の外に……あ!」 「相原くん、おはよう!」 俺を見つけたからか、気付いたら教室の中に入って来てて、向井は間近で見る黒瀬先輩にうっとりしてやがった。

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