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イジワルな恋心 14
「……黒瀬先輩、用事ってなんですか?」
「あのね、明日の生徒会会議なんだけど、望月先生の予定が悪いみたいで、今日の放課後に変更になったんだ。だから今日、いつもの時間に集合でお願いね。」
なんだ、そんなことか。
「わかりました、今日ですね。」
「じゃ、お願いね。」
黒瀬先輩が教室を出て行ってすぐに、うっとり向井が一言……
「花屋みてーなすげーいい匂いした……」
なんだそれ。
うっとり向井はほっといて自分の席に着き、今日はいつも見てるあのアニメの日だったことを思い出す。
なんだよー間に合うかな…。
*
なんてことなく1日が過ぎ、夕方…下校の時間になった。
「なんか、雲行きあやしいなー。雨降る前に早く帰ろう…じゃあなっ相原!」
窓の外には、朝とは違って真っ黒な雲が空一面を覆いつつある。
俺、雷嫌いなんだよな…
傘も忘れたし。
窓を開けてみると風が少し強くなってきてて、それ以外は異常なほど静かだ。
校門に向かう生徒たちは雨が降る前に帰ろうと足早だし教室にもほとんど誰もいない。
なんか……嵐の前の静けさって感じだな。
……さてと、行くか。
下校するみんなとは反対方向へ向いながら、今日はなんだか妙に足取りが重い。
俺はまだ気付いてなかったんだ
イジワルな恋心に、俺たちが翻弄され始めていることに⋯⋯────
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