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春雷 2

薄暗い室内、2人の息遣いと雷で空が光る度映し出される2人の横顔、そして繰り返し重なる唇。 2人は付き合っているからキスくらいするだろうし、 俺には関係ないことなのに、 実際に見てしまった目の前の事実に、 俺の心臓が苦しいほどズキンッとした。 まるで、何かに刺されたような…こんな痛み、生まれて初めてだ…… なんなんだよ…… とにかく、ここから離れたい…… 俺の脳がはじき出した答えはそれだった。 なのに、身体は固まったまま動かない。 そして、また雷が静寂に響き渡る。 とりあえず気付かれずにこの場を立ち去る為に、動かない身体を必死で動かし、そっとドアから離れ後退りする。 そして、数歩離れ…気付いたらおぼつかない足取りで走りだしていた。 なんでかわからないけど、出来るだけ遠くに離れたかったんだ。 会議なんてどーでもいい。 脳裏に焼き付く2人の影を振り払うように、俺は必死に走った。

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