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春雷 9
ゆうちゃん……
誰だ?
俺を知ってる“ゆうちゃん”
ゆうちゃん……ゆう………
ゆう…………と
………橘?
確かに俺とほっしーの共通の知り合いっていったら橘しかいない。
でも、なんで“ゆうちゃん”なんて呼び方なんだ?
熱でやられた頭ではもうすでに限界で、また頭がズキズキしてきた。
「……うん、じゃあまた。」
そして、ほっしーが携帯を切ってバックにしまう音がした。
「………なあ?」
ゆっくりと目を開けほっしーの方へ身体を向けると、
「あっ相原くん?!…起きてたの?!」
意外にも焦るほっしーが。
「ちょっと前に。ほっしーが誰かと携帯で話してる声がして………」
「起こしちゃった?ごめん。」
「いや、うとうとしちまった俺が悪いんだし。それよりさぁ、電話の相手のゆうちゃんて誰?」
「……………え。聞こえてた?」
「うん、所々。……………もしかして、橘?」
「…………」
珍しくほっしーが動揺してる。
仮に“ゆうちゃん”が橘だったとして、なんでほっしーが代わりに見舞いに来るのか。
「どのへんから聞いてた?」
「ちゃんと買ってったとかなんとかってあたりかな……」
「……そっか。」
ほっしーの表情は、焦ってはいるものの何かを迷っているような複雑な表情をしてた。
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