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春雷 14
「先週?あー雷凄かったよね。でも、その次の日の会議を相原くん欠席したんだよね?……風邪で」
「え?!………じゃあ、いつも通りだったってこと?」
「いつも通り?うん、いつも通り……だけど。もしかして曜日間違えて来ちゃった?」
「いや………」
……おかしいぞ。
朝、黒瀬先輩がわざわざ来たのはなんだったんだ。
「相原くん?どうかした?」
「望月が用があって会議ずらしたんじゃなかったのか?」
「なにそれ?会議は予定通り金曜だったよ?それに、仮に望月先生が用があったとしても先生抜きで会長が進めるから変更とかないはずだよ?ゆうちゃん一通り把握してるし……」
なんだそれ。
……仕組まれてたっつーことか。
黒瀬先輩…?
いや、黒瀬先輩がそんなことをする理由はない気がする。
だとしたら、橘かもしれない。
2人のキス現場をわざわざ目撃させて、俺が動揺するざまを見て楽しむ気だったのかもしれない。
「どうしたの?望月先生に何か言われたの?」
「いや、違う。」
「あ、もうこんな時間だ。そろそろ帰るけど……」
「あぁ、引き止めて悪かったな。」
「先週の会議のことはもう大丈夫?」
「……だ、大丈夫。俺の勘違いだったかも。」
「じゃあ、さっき色々話したことはくれぐれもゆうちゃんには内緒でね。」
「うん、わかってる。」
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