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心をほどいて、心を結んで 4

────⋯⋯ ───⋯⋯ 「……………渚……渚……」 遠くで俺を呼ぶ声が聞こえる…… 誰だ? ゆっくりと眼を開けると見慣れない天井が。 ここ……どこだ? 「……大丈夫か?」 心配そうに俺を覗き込む橘と眼が合って、急に恥ずかしくなった。 「…うわっ!!」 「まだ起きちゃだめだ。おまえ、無茶し過ぎだぞ。39度も熱あればそりゃあぶっ倒れるだろ。」 「…………倒れた?」 「覚えてないのか?……しかも、あんなに泣いて。」 橘の顔を見てたら、だんだんと思い出してきた。 俺は、熱があるのに学校に来てこいつに、泣きながら告白一歩手前みてーなこと言ったんだ。 なにやってんだよ、俺。 泣くなんてちょー恥ずかしい。 「…………う、うるせー!てめーが何も話してくれねーからだろ!つーかここ何処だよ。」 「……ここは、オレのマンション。一人暮らししてんだよ。ったく……あんなにオレには関わるなって言ったのに、おまえってやつは。」 「一人暮らし?!さすが金持ちだな…って、そんなことより、いい加減話せよ。」 壁に掛かってる時計は、もうすぐ22時になろうとしてた。 橘は、熱で意識がない俺をマンションまで運んでくれたらしい。 俺は相変わらず頭はぼーとしてて熱っぽいけど、少し休んだおかげでだいぶラクになった。 けど、状況は倒れる前と何も変わってない。 橘の口から本当のことを聞くまでは帰る気がないのも変わってない。

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