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心をほどいて、心を結んで 5

「なぁ?おまえ……オレのこと好きだろ?」 「………は?!いきなりなんだよ!」 「答えてくれたらオレも全部話す。」 「なんでそーなんだよ!ずりーぞ!!」 こいつ俺様だったことすっかり忘れてた…こういこと平気で言いやがるんだよな…… でも、 俺を見る橘の眼は、なぜかすごく優しい眼をしていてあの時みたいだった。 「…………渚…言えよ。」 久しぶりに聞いた…… 俺を“渚”と呼ぶ橘を。 わかんねーけど、 わかんねーけど、 すげー嬉しい…… なんだかまた涙が溢れてきて、 「俺、おまえが…………好きだ…」 不思議と素直になれた。 そう言った瞬間の橘の顔はたぶん、俺……一生忘れないと思う。 俺を真っ直ぐ見つめ、愛おしげに優しく眼を細め笑うアイツを。 初めて見たよ、あんな風に幸せそうにも笑うんだな。 そしてすぐに強く抱きしめられながら俺の耳元で、 「おまえじゃなくて、優人って呼べって言ったろ?忘れたのか?」 そう言われ、 「…………オレも渚が…好きだ。 だから、もう泣くなよ……」 小さな小さな声で“ごめん”と最後に付け加え、 幾つもの涙が伝った俺の頬に優しいキスをした。

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