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想いの証 17
「……む、向井だよっ!」
とりあえず、当たり障りねー親友の名前を言ってみた。
「……向井?」
「そっそう!向井が心配して……」
「友達に“その人”とか言わなくね?」
うっ……
さすが鋭い
「あー…弟は向井のこと知らないからついそう言っただけで……」
「ふーん。友達が朝っぱらから迎えに来るんだ。」
は?
まさか、こいつ親友にもヤキモチ?!
どんだけだよ!!
あんなに意思表示してんのになんなんだよ!
「もー!!いい加減にしろよ!!向井はただの親友だしっ!!」
ちょっとイラッとして、掴まれてた腕を振り払ったら、
「……………わかった。」
あれ?
すんなり離れて行った橘に拍子抜けって言うか、
なんか、俺変なこと言った?
なんで!?
「お、おい!なんだよ、急に!!」
「……別に。もう何も言わねーよ。」
いや、明らかにいじけてるよね……
こいつ、俺様+束縛タイプ……?
まったく世話をやかせやがって。
「あ、あのさ……」
「……もういい。勝手にしろっ。」
「何回も言ってるように、俺……今一番大事なのおまえだから。」
「…………」
「だから機嫌直せよ。」
「じゃあさ……」
「なんだ?」
「…………キスしろ。」
「はい?」
「渚からキスしてくれたら許してやる。」
許すって、そもそも勝手に勘違いしてたのてめーじゃねーか!
それになんでそっちに持ってこうとすんだよ!
でもキス1つで丸く収まるならって、相変わらず単純で馬鹿な俺は、わかったと頷いてしまった。
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