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真実の鍵 5

「ヤキモチなんて甘いもんじゃねーよ。よーく聞けよ…」 そう言いながら俺のシャツに手をかけボタンを1つ1つ外しネクタイを緩める。 名残惜しげに離れて行った唇は、そのまま首筋から耳たぶへ舌を這わせ甘噛みして耳の中を舐め回され、頭の中はぴちゃぴちゃと厭らしい音だけが充満する。 舐め回しながら時々漏れる橘の吐息にも俺は欲情してしまう。 そして 極めつけに…… 「渚が好き過ぎて嫉妬で狂いそうなんだよ……」 そう耳元で囁かれた瞬間、僅かに残ってた理性が一瞬で消え去った。 狭い個室でドアに体ごと俺を押し付けながら橘は腰を俺の下半身目がけてグリグリと押し付け揺らす。 「あ……んッ……んん」 「渚のここ、こんなにして……そんなにオレが好きか?」 「……んッ…す……き………ッ」 快感で、するりと本能のままを口にする。 気持ちをコントロール出来なくなるのは俺はこいつに翻弄されてるから、 そしてその先を求めているからで、 遠くに聞こえる呼び鈴さえどうでもよくなる。 いつもならこれから授業なのに…… でも、もう俺たちはこの熱を止めることは出来ない。 いつ誰かが来るかもしれない個室は、理性が切れた俺にはただ興奮が増す材料にしかならない。 早く欲しい…… そんな欲望でいっぱいな俺は、気付いたら目の前で妖艶に微笑む橘の首に腕を回し自分からその唇を奪っていた。

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