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真実の鍵 15
「……痛てっ!痛てっ!」
俺の腰に触れる一歩手前で望月の腕をひねり上げたのは紛れもなく橘なわけで、
「生徒誘惑しないでくださいってあれほど言ったじゃないですか。」
「しっ…してねーよ!!」
表情一つ変えない橘の顔は表の顔。
俺も初めコレに騙された。
「相原!おまえもぼーとしてないで早く中入れ。」
「う、うん……」
ん?!
今、“相原”って言った。……なんでだ。
軽くパニくってる俺に向けられる冷酷な顔の橘は朝とはまるで別人……
そして望月が先に生徒会室に入って行き、いつの間にか廊下には二人きりになってた。
隣の橘に声をかけることも出来ずにいると、腰をグッと抱かれ引き寄せ耳元に唇を寄せてきた……
「しばらくの間、二人で居る時以外は生徒会長として渚に接するから。」
「え?!……あ、…う……ん。」
仕方ない、黒瀬先輩のこともあるし。
「そんな顔するなよ。何かあったら今みたいにちゃんと守るから。好きなのは渚だけだから、信じろ。なっ?」
そして、俺のおでこと唇に素早くキスをして、ポカーンとしてる俺を残して生徒会室に入って行ってしまう。
な……なんか……
アイツ……なんであんなにスマートなんだ?
あまりにも自然な流れでキスをされ軽くフリーズしてしまった。
なんとか意識が正常に戻り、廊下に一人取り残されていた俺も急いで中に入るともうみんな揃って席に着いていた。
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