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真実の鍵 16

──────── ────── 会議中、視線を感じ見上げると黒瀬先輩と目が合った気がしたけどすぐそらされる。 なんか落ち着かない。 橘はというと、いつも通り黒瀬先輩と隣同士に座り仲良く話してる。 普通に見たら美男美女のラブラブなカップル。 お似合いだよな…… ぼーとそんなこと考えてたら、ふと顔を上げた橘と目が合いとっさにそらしてしまった。 この前まではそんなでもなかったのに、なんか……胸がすげー苦しい。 キス現場目撃の時みたいになんかきゅーんってする。 俺こんな乙女思考だったか?! これから会議の度こんなモヤモヤするのやだな。 ダメだっ! こんな弱気じゃ、黒瀬先輩に立ち向かえないじゃないかっ!! 妙な闘争心が芽生えたけど、だいたい俺がこんな風に気合いを入れるとろくなことがない。 まぁ、そんなことはほっといて…とりあえず、黒瀬先輩と話し合いをするべく約束を取り付けなきゃ。 「ほっしー?お願いがあるんだけど……」 会議中、こっそり隣のほっしーをつつく。 そして、今日は何が何でも橘と帰ってくれるようお願いをした。 「……ゆうちゃんを?いいけど、黒瀬先輩と帰るんじゃない?」 「そこを連れ出して欲しいんだよ。……お願いだ。」 「………わかった。無理しちゃダメだよ?」 「え?………あ、うん、ありがと。」 勘が鋭いほっしーは俺の様子で何をしようとしてるのか気付いたみたいだ。 だけど、余計なことは何も言わないほっしー。 こいつには嘘つけねーな。 「いつも悪りーな。」 「いいよ。ゆうちゃんの大事な人は僕にも大事だからさ。」 ほっしー……いい奴過ぎてちょっと惚れそうだぜ。 つーか、そんなこと思ったなんて橘に知れたら確実に殺されるから忘れよう……うん、すぐに忘れよう。

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