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真実の鍵 22
鼓膜から響いてきた声は……
紛れもなく俺の声だった………
頭の中に充満していく濡れた喘ぎ声、
その時々に聞こえる、
“タチバナ”
“ナギサ”
……という単語
それが何の意味を持つか、わからないほどバカじゃない。
そこに2人が居たと言う証拠……
そこで2人で知られてはいけないコトをしていたと言う……証拠。
生徒会任命式のあの日、俺たちが此処でしていたコトが脳裏に蘇る。
抱き合い、何度もキスをし、お互いの熱を吐き出した。
最後まではしなかったものの、どう考えても友達レベルではない。
ましてや俺はあの日、男からされてるのに“気持ちイイ”って言いまくってた。
誰もいないと思ってたのは、2人だけ……
いや、行為に夢中で気付かなかっただけ………か
がっつり聞かれてたんだ……ヤバい、、、
ヤバい……………
………どうしよう
全身の血の気が引いていく
「な……なっ………ん…で」
動揺し過ぎて、言葉をうまく発っせられない。
「だから言ったでしょ?冷静じゃいられなくなるって……」
「どうしてっ……どうしてこんなもの……」
「勘違いしないでね、たまたまよ。たまたま、あの日此処に忘れ物を取りに来ただけ。そしたら、あなた達の声が聞こえてきたのよ。だから面白そうだったから残しておいたの。」
タイミングが悪かったとしか言いようがない。
あんなことを学校でしてた俺たちも悪いけど、今更何を言っても事実は変わらない。
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