132 / 498

真実の鍵 22

鼓膜から響いてきた声は…… 紛れもなく俺の声だった……… 頭の中に充満していく濡れた喘ぎ声、 その時々に聞こえる、 “タチバナ” “ナギサ” ……という単語 それが何の意味を持つか、わからないほどバカじゃない。 そこに2人が居たと言う証拠…… そこで2人で知られてはいけないコトをしていたと言う……証拠。 生徒会任命式のあの日、俺たちが此処でしていたコトが脳裏に蘇る。 抱き合い、何度もキスをし、お互いの熱を吐き出した。 最後まではしなかったものの、どう考えても友達レベルではない。 ましてや俺はあの日、男からされてるのに“気持ちイイ”って言いまくってた。 誰もいないと思ってたのは、2人だけ…… いや、行為に夢中で気付かなかっただけ………か がっつり聞かれてたんだ……ヤバい、、、 ヤバい…………… ………どうしよう 全身の血の気が引いていく 「な……なっ………ん…で」 動揺し過ぎて、言葉をうまく発っせられない。 「だから言ったでしょ?冷静じゃいられなくなるって……」 「どうしてっ……どうしてこんなもの……」 「勘違いしないでね、たまたまよ。たまたま、あの日此処に忘れ物を取りに来ただけ。そしたら、あなた達の声が聞こえてきたのよ。だから面白そうだったから残しておいたの。」 タイミングが悪かったとしか言いようがない。 あんなことを学校でしてた俺たちも悪いけど、今更何を言っても事実は変わらない。

ともだちにシェアしよう!