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真実の鍵 23
「男の子って友達同士でもこんな厭らしいことするんだ?」
面白がってるように言い放つ先輩は、俺を追い詰めるかのように一番恐れていることを口にする。
「生徒会長が男と…ましてや書記とこんなことしてたのバレたら大変なことよね……」
生徒会……長…………
目の前が、
真っ暗になった……
「………お、脅してるんですか」
「……酷い言い方ね。相原くんが教えてくれって言うから教えたのに。」
まさかよりによってあの日のことだなんて誰が思うかよ。
「何が目的なんですか。」
「もう繕わなくてもいいわよね。ハッキリ言うわ。
優人は相原くんには渡さない!私はあなたが想う以上に彼を想ってる!だから、お願いだから優人をこれ以上振り回さないでっ!!」
あぁ、この人は、橘のことが本気で好きなんだ……
まるで
俺みたいだ
……俺だって、
俺だって橘が好きだ
どうしようもないくらい、
俺だってあいつが好きなんだよ……
俺、バカだからこんなことしか出来ないけど
好きだから、
守りたいから、
心を決めた。
だけど、
「………分かりました。」
油断したら、
「俺、あいつに言います。」
泣いてしまいそうだったから、
「……迷惑、だからっ…て。」
必死に、
「……2人を応援するって、」
気付かれないように、
「………言います。」
強く、強く、唇を噛み締めた……
痛い心の傷を誤魔化せるように、
強く、強く⋯────
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