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愛しくて、優しい……人 7

イケメンで金持ちで女子からモテモテのこいつが、 俺に、 ………片想い? 今更だけどなんで男の俺なんか。 俺のどこがいいんだよ……まさか変なフェロモン出てんのか?! 一年以上って言ったら、入学してそこそこあたりから……だよな? でも俺たちクラス違うし……橘はいつのタイミングで俺を好きなったんだろ? その経緯が無性に知りたい。 「おまえっ、いつから俺のこと……。しかもなんで!?」 問いただしたい気持ちで力が入り過ぎて、思わず橘を玄関先だというのに押し倒しちまった。 「ちょっ、渚、落ち着け!」 「教えろよっ!」 橘を見下ろすように顔を近付け、少しだけ強い口調でそう問い質すと、至近距離をいいことにそのまま顔をグイッと引き寄せられチュッとキスされた。 「……んッ…なっ、どさくさ紛れに何すんだ!つか、質問に答えろよ!」 そしてそのまま顔ごと抱きしめられると、重なりあった鼓動は同じリズムで……ドキドキと響いていた。 そんな橘のサラサラな黒髪が、時々鼻を掠めてくすぐったいな、なんて思っていると、 「今は、まだ教えてやらねー」 そんな意地悪い声が。 「はぁ?なんで!?」 「もったいねーもん。」 「なんだそれ………」 「いつか教えてやるよ。」 勿体ぶりやがって! もったいないとかマジ意味わかんねー! 「代わりにいいこと教えてやるよ。」 「何だよ。どーせ大したことじゃねーだろ?」 「大したことじゃねー………かもな。」

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