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愛しくて、優しい……人 15
「もうぬるぬるだな…」
俺のを扱きながら、耳元で卑猥な言葉を囁きまくる橘の声に正直もうイきそうで、
「うっ、うっせー……ふッんん…」
必死に意識をそらそうとするけど、今日はマジでヤバい。
「さっき途中でやめちまったからな……もうイきそうだろ?」
「……ッ…んん…やッ……」
いつイってもおかしくないくらい、握られたそれはビクビクと震えている。
そんな俺のを上下に扱きながら、同時に耳の中に舌を這わせ舐め回される。
おかしくなりそうなくらい、気持ちいい……
耳元から聞こえる、熱い吐息とぴちゃぴちゃという舌の動き。
それに下半身に与えられる刺激。
全てが快感で、気付いたら自分でもびっくりするくらい声をあげてしまった。
「ん…ッ…ああッ…マジ……やばっ…いって……!」
そして、
「渚、いつか⋯────」
「あッあッ…イッ…ああああッ………!!」
……橘が耳元で囁いたふいの一言に俺は我慢出来ずに白濁をぶちまけてしまった。
あんなこと不意打ちで言うなんて……
「……オレが言った言葉でイっちゃった?すげー勢いで出てきたな。」
「……ッ………だっ…て……」
あんなこと言われたらイくに決まってるじゃん。
いつかって……
そんなの……
「……でも、おまえが俺をずっと好きな保証なんてねーじゃんか。気安くそんなこと言うなよ。」
理性を保たないと俺は幸せに押しつぶされそうで、恐くて……
今はまだ、そこまでの自信がない。
明日になったらまた振り出しに戻ってる…なんてことあるはずないけど、なんだか全てを委ねられない。
好き過ぎる故の不安なんだって思えば理由はつく。
けど、
なんだろう……この胸騒ぎは────⋯
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