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愛しくて、優しい……人 18

「じゃあ止める?」 「え……?」 また急に真顔で言うからちょっとびっくりした。 なに?今度は焦らしプレイ? 「………もうさ、無理矢理抱くのはよそうと思って。」 はぁ?!よく言うよ、どんだけヤって気付いたんだよ。 でも、そう口にする橘はマジでそう思ってるみたいで、 まぁ、俺もこいつのこんな顔に弱いんだよな。 悔しいけど、俺ももっとこいつと触れ合いたいと思ってるわけだし、 そんなとこも大好きなわけだし、 ちょっとだけ勇気を出して言ってみた。 「…………ばかやろう…いいから、早く……動け…よ…」 出血大サービスで、橘の腰に両足を絡めてみたりもして…… 「……………渚」 「なっ………な、に?」 「無自覚ほどエロいもんはねーぞ………」 言ってる意味が分からずにいると、俺の中の橘のがドクンと波打ち、質量が増した気がした。 そして埋まったまま動かなかった橘のがギリギリまで引き抜かれたかと思うと、一気に奥を突いてきた。 「………ッ……んっ…ああっ!!」 「……ッ………今日は優しく抱こうと思ったのに、渚の所為で歯止めがきかなそうだっ。」 優しくなんてしなくていい。 今日の俺はおかしいんだ。 優しくされればされるほど不安が募る。 いっそ、不安な心ごと壊して欲しい……壊して、激しくして、何も考えられないくらい求めて欲しい。 「今日は…………優しくすんな」 そんな不安定な俺は、 気付いたら、そう口にしていた……

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