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愛しくて、優しい……人 25

「……はッ……んんッ……」 まだ息も整わないままで、でもそんなことより、早くキスしたいと思った。 唇と唇から伝う生暖かい唾液をゴクリと橘が喉を鳴らし飲み込む。 「………ッ…渚、舌出して…」 唇同士が微かに離れた時、吐息混じりに言われれば俺は素直に応じるだけ。 「……ッ…んん」 空気に晒され冷やされていく舌を、すぐに熱い舌で絡まれ包み込まれる。 「……んん…うっんん…ッ…」 背中に回されてた手が腰へ下りて撫でられれば俺はまた身体をビクつかす。 身体中が性感帯みたいに、触られたとこからまた熱が広がっていく。 「……ッ…なぁ…このままもう1回いい?」 答えなんてわかってるくせに。 俺の中に埋まってる橘のだってまだ堅いままのくせに。 わざわざ聞くところが憎たらしい…… 熱い眼差しは溶けそうなほどで、それだけでもまた下半身を反応させしまい、2人が触れ合ってる肌はさっき出した熱と先走りとで厭らしく光っている。 「……………イヤって言ってもどうせすんだろ?だったら早くしろよ……」 「身体は素直なのに、相変わらずだな……」 俺ばっか余裕なくて、またすぐにでもイきそうなほどこいつの仕草一つに感じてるだなんて…… 「…………イヤなんだよ」 「何が、イヤ?」 「お、俺ばっか余裕なくて………すげー好きなの……俺だけみたいで……イヤなんだよ!」

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