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愛しくて、優しい……人 26

そう俺が言った直後、ビクンとまた橘のが大きさを増した。 「…ッ…おまっ……自分で何言ったか分かってねーだろ」 「…………へ?わ、わかんない。」 俺、何か変なこと言った? 「殺人的な殺し文句だっつーの。しかも本気で気付いてねーとこがまた厄介だな。」 え?!なになになに?! またこいつわけわかんねーこと言ってる! 「渚って時々すげーこと言ってんだよ、無意識に。」 「へーそ、そうなんだ」 「………………はぁ。天然も大概にしろよ。」 「へ?!は?!…うわっ!!」 そしてデカいため息を吐いた橘が、我慢の限界だとばかりに俺をグッと抱き寄せるとごろんと身体を回転させてきた。 「ちょっ、落ちるって!!」 ドスンッていう鈍い音で痛い!って言おうとしたら……痛くなかった。 落ちた拍子に今度は俺が下に…いつもの正常位。 そして俺たちは未だ繋がったままだ。 ラグの上に落ちた時、俺を庇うように橘が抱きしめてくれてて俺はまったくの無傷…ってこんぐらいじゃケガなんてしないだろうけど、でも、 「おい、橘っ大丈夫か?」 やっぱり心配で急いで顔を上げた。 「大丈夫だよ、オレが自分で落ちたようなもんだからな。つーか、今落ちた拍子に締まってオレ締め付けたのわかった?」 わかんねーよ! せっかく心配して損した。 「変態っ!!」 「ほら、また。」 「……ッ…言うなよっ!もー!!」 どんなに悪態を吐いたって、身体は素直に反応してしまう。 素直になりたい でも、 素直になれない もどかしい気持ちがぐるぐると渦を巻いて、俺はいつまで経っても素直になれない。

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