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愛しくて、優しい……人 34
もっと、もっと俺を夢中にさせて欲しい
もっと夢中になって、余計なことなんて頭の中からすっぽり抜けて消えてしまえばいいのに……
そんなことを思い目を閉じ、抱き寄せた腕に力を込めれば俺の中に埋まってる橘のはドクンッと波打ち質量が増す。
それが、俺を欲している意思表示のように思えて……嬉しい。
「もっと、………もっと…」
うわごとのように何度もそう囁いて、また舌を絡めながら深いキスをせがめば、
「…………渚、」
欲情にまみれた濡れた声と共に唇が降りて、そのまま俺の口をその柔らかいそれで塞ぐ。
そして、口端から唾液が流れ落ちるのも気にせず、俺たちは呼吸することを忘れるくらい激しく舌を絡め合った。
「……ッ…渚……今日なんか、すげーエロいな………」
キスの合間、独り言のように囁かれ律動が再び始まれば必死に足を絡め突き上げを味わう。
「……んんッ…ああッ…」
橘の唇が離れて物寂しさを感じる暇もないくらいすぐに首筋を舐めあげられ、ツーと舌先で鎖骨まで辿って、一点をキツく吸い上げ跡を残すとまた感じて声が大きくなってしまう。
「あッ……うッ…んんッ!」
「………もっと跡付けていい?」
「……い、いいよ……ッ」
腰を振りながら器用に俺の身体中に一つ一つ丁寧に跡を付けられ、俺は吸い上げられる度に高い声を出す。
……もっと欲しい
……もっと身体中に跡を付けて、俺の不安を全部吸い取って
……もっと、もっと……欲しい……
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