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愛しくて、優しい……人 37

小刻みに腰を動かし一滴残らず俺の中に流し込む感覚に酔い痴れていると、グッと身体を抱きよせられ俺が橘に跨る格好に起き上がらせられる。 「……ううっ…んッ…ちょっ、と…待って…イってるか、ら…」 まだ身体が痙攣してびくびくしているってのに、対面座位の状態にさせられそのまま俺を強く抱きしめ、耳元に荒い息を吹き掛けながらまた俺を夢中にさせるようなことをこいつは言うんだ。 「…………愛してるよ、渚。何があってもずっと愛してる……たとえ⋯────」 強く抱きしめられながら囁かれれば、身体中が愛しさでいっぱになる。 俺だって、同じ気持ちだ。 なのに、なんであんなこと……… 言われた言葉を理解しようとしても快感が邪魔をしてなかなか纏まってくれない。 今、なんて言った? こいつはなんでそんなことを? 考える暇もなくそれからもそのまま突き上げは続き、甘い言葉と与えられる快感とで俺はいつの間にか意識を飛ばしてしまった…… ───────⋯ ────⋯ 「………あぁ、わかってる。約束は守る。じゃあ……」 微かに聞こえる声は……… ………橘の声? でも…… とても冷たい、いつもの優しい声じゃない。 それは、温度が感じられない冷えきった声だった。

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