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第8章 アイツのいない世界 1

────おまえは、 どれだけ俺を惑わせたら気が済むんだ……? 俺は、もう………… ───────⋯ ────⋯ 「相原?今日も顔色悪いけど大丈夫?」 「…………あぁ。寝不足なだけ……大丈夫。ちょっと保健室行って寝てくるよ……」 「大丈夫かよ?一緒についていこうか?」 「いや、一人で大丈夫。」 「……でも、なんかフラフラしてないか?心配だからさ……」 「いや、ホントに大丈夫。心配しなくてもただの寝不足だから……大丈夫。」 「そ、そっか……」 橘が姿を消してもうすぐ1週間が経つ。 かけ続けてる携帯もずっと留守電で、メールを送信しても返事がない。 俺に何も言わずいなくなるなんてありえないと思ってたからどうしていいのかわからず、不安だけが日に日に増すばかりで俺は眠れない日々が続いていた。 そんな俺を当たり前のように心配してくれる向井の優しさにも、適当な返事しか出来なくて俺は最低な親友だ。 全てが悪循環で、心は今にも壊れそうで、呼吸をすることすら鬱陶しい。 アイツのマンションに行っても俺は合鍵ももってないからなんの意味もなく、実家なんてなおさら知らないし俺には為す術がない。 それに頼みの綱のほっしーも、橘のうちは一度引っ越してるらしく……引っ越した後の実家の場所まではわからないと言っていた。 だから俺にはどうすることも出来なくて、おとなしく学校に行ってアイツのいない日常を過ごすしかなかった。 たった1人いないだけなのに俺の世界は光を失ったみたいに真っ暗で、見える景色は全てに色がなくなった。 もう、正直どうしたらいいかわからないよ……

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