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アイツのいない世界 5

「な、なんで?アイツのこと、知ってるんですか?!橘がどこにいるか知ってるんですか?!」 「おいおい、すげー食い付いつきだな。やっぱり当たりか………そこまで必死にアイツの居場所知りたがるのってなんでだ?」 「な……んでって……」 これは誘導尋問なのか? 確証はないけど、望月は俺と橘の仲がただならぬ仲って感付いてて、それでこんな言い方するのだろうか……。 でも今はどんな手がかりでも欲しい。 たとえ、望月に俺たちの仲がバレてもそれでも知りたい。 でも、こいつ本当に橘の居場所知ってんのか? なんか信用出来ないんだよな…… だから一応は聞いてはみたけど。 「………それより、先生は橘の居場所本当に知ってるんですか?」 「…………知らないことも、ないなぁ。」 こいつ……からかってんのか? 望月からは案の定煮え切らない答えが帰ってきた。 「知ってるなら教えてください!!」 「何をそんなに熱くなってんだよ。そんなに知りたいんだ……生徒会長の居場所。」 こいつ……ぶん殴りてーくらいムカつく。 つーか、さっきからデカい声ばっか出してたらフラフラ通り越してなんか意識が朦朧としてきたかも。 このままここに居たらなんかぶっ倒れそうって思ったから、急かすように更にデカい声で望月に怒鳴った。

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