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アイツのいない世界 8

そうだ、確かに俺は保健室に行く途中だったけど、そこで望月に会って……それで、、、 「俺やっぱり心配で、相原が教室出て少し経ってから保健室に行こうとしたんだよ。そしたら、望月だっけ?化学の……その望月に会って、おまえが倒れて保健室で休んでるから行ってやれって言われてさ。」 そうだ、望月に引き止められて、そんで橘の居場所を知ってるとか言っ…… 「あっ!!た、橘は!?」 「え?生徒会長?……知らないけど…」 「だって、俺が意識失う直前に橘がっ!!」 「俺は、保健室来るまでに会ったのは望月だけだけど……しかもアイツ学校ずっと休んでんだろ?」 「そ、そうなんだけど…」 「じゃあ、アイツがこんなとこいるわけないじゃん。」 「そ、そうなんだけど…………」 でも、確かにあの声は橘だった。 それも俺が見た夢だって言うのか? いや、違う。 確かに意識は朦朧としてたけど、アイツの声を間違えるわけない。 ちゃんと覚えてるんだ…… 意識が薄れていく時俺の頬に触れた手は、ひんやり冷たいのに何故だか温かくて優しくて、俺が大好きな温もり。 誰のものでもない、アイツの温もりだった。

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