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アイツのいない世界 16
なるようにしかなんねーな………
くよくよしてても仕方ない。
結局、俺がどんなに悩んでも、向井を親友以上には今は見れないわけだし、とりあえず深く考えることはやめようって思った。
切り離して考えていかないと大事なモノを見失ってしまう。
俺の単純な性格はこんな時、ちょっとは役に立つ。
よしっ!
気合いを入れて重い腰を上げ、渡り廊下を渡って別棟へ向かった。
別棟にある化学室は二年までは殆ど使わない。使うのは三年が主で、だからよく道に迷う俺は行き方を間違えそうになる。
あれ?……確か、この角を、
あった!
入学当時は移動教室の度に毎回毎回たどり着けず迷子になってたけど、まぁ、今はさすがにどの教室も覚えた。
でもこの学校はデカいからホントめんどくさい。
やっとたどり着いた化学室は、静まり返っていて今の時間授業はないようだ。
望月のことだから授業がなくても職員室なんかにいないはず。
きっと準備室とかでタバコとか吸ってるんだろう。
そんなことを考えながらドアに手を掛けたら、その前にドアが開いて中から顔を出したのは案の定望月だった。
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