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アイツのいない世界 23

「………………ほっしー……?!」 「こっ……先生っ!何してるんですかっ!!」 凄い勢いで俺と望月を引き離し、息を切らせていたのはほっしーだった。 「相原くん、大丈夫?!何かされた?!」 「………う、ううん、大丈夫。」 「未遂だよ、まだ何もしてねーし。」 「僕が来なかったら未遂じゃすまなかったってことですかっ!!………まったくっ、いい加減にしてくださいっ!!」 え……こんなに怒るほっしー初めて見た。 いつも冷静で、余裕があって、穏やかなほっしー。 なのに今は…額には汗が滲み、余裕なんてまるでなくて、なんだかすごく怒ってるみたいに見えた。 「相原くん、行こう……」 「え?……でも」 俺の手を取り立たせると、ものすごい不機嫌そうなほっしーと視線が重なる。 「いいから、行こう」 そしてそう吐き捨てると、立ち尽くしたまま動かない望月を無視し手を引いて歩き出そうとした。 「おい、星川」 「ほっしー?望月が……」 すると望月が口を開く。 「望月先生、少しは自覚を持ってください」 「も、持ってるよ」 「持ってたらこんなことしないでしょう」 「こんなことって、別になんもしてねーし」 「はぁ……もういいです、そこどいてください」 望月に静かに怒りをぶつけながら部屋を出るとそのまま廊下まで連れ出され、ちょっと待っててと言い残し、ほっしーはまた中に入って行ってしまった。 中からは二人の声が聞こえたけど、何をしゃべっているのかまでは聞こえない。でも、時々声を荒げるような声がしたりで俺は少し心配になってきた。 ほっしー、望月に何か文句言ってんのかな。 なんかすげーブチ切れてたもんなー どうしよう……戻ろうかなって思っていた矢先、ほっしーが戻ってきた。

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