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アイツのいない世界 25
俺を促し、廊下を二人並んで歩きだす。
歩きながら、ふと、俺はほっしーに聞いてしまった。
「ほっしー……なんでこんなことになったのかなぁ……」
俺は、ふいに気が緩んだのか答えに一番困る質問をしてしまったんだ。
「………………。」
「ごめんっ。そんな事ほっしーに言っても仕方ねーよな。」
「相原くん?」
「え?」
「ゆうちゃんちの事………あ、いや…何でもない。」
なに?
今、橘んちがどうとか言いかけたけど……
でもほっしーが誤魔化すってよっぽど口が滑ったのかなぁ。
「橘んちが何?」
「ごめん、ホントに何でもないんだ。あ、相原くん具合はもう大丈夫なの?」
「……ぐ、具合?あー…正直あんまりよくない……て、えっ?!なんで俺が具合悪いことほっしー知ってるの?」
「あぁ、いや……。あ、着いたから、とりあえず外出よう。」
屋上へ続くドアの鍵を開け外へと出ると、当たり前だけど誰も居なくて、空は青空が広がってた。
「なんで屋上の鍵持ってんの?それって……確か、、、」
屋上の鍵は職員室に1本保管してある他に、スペアキーを1本生徒会で預かっている。
主に、望月か会長の橘が持っているのを見かけたことがある。
そしてほっしーが持っている鍵は、俺が見かけたことのある方の鍵。
「望月から借りたの?」
スペアキーを指さしながら聞くと、歯切れの悪い返事で、そうだよって言われた。
そんなほっしーに違和感を感じたけど、俺の思い過ごしかなって思い、それ以上は考えるのをやめてしまった。
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