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アイツのいない世界 27

「相原くん、大丈夫?具合悪い?」 俯く俺を覗き込み、心配そうにほっしーが声をかける。 一瞬すごい至近距離にほっしーの顔があって、何故かドキッとした。 「あっ……うん、大丈夫。これありがと、いただくよ!」 “落ち着け、俺!” そう心の中で念じ、クリームパンの袋を勢いよく開けた。 するとほっしーは、“どうぞ”と言って自分はコロッケパンの袋を開け食べ始めた。 最近は食欲もなくて大したものを口にしてなかったからか、甘いクリームがすげーうまく感じて、俺は思わずうまい!と声を上げてしまうと、ほっしーはくすりと笑い、 「ただの購買のパンだよ!?……でも美味しいならよかった。疲れた時、甘い物は体にもいいからね。」 また俺を気遣ってくれていて、いたたまれない気持ちになる。 胸の中がモヤモヤと渦を巻いてて、全部アイツのせいだって思うくせに、なんか違うような………だけど橘以外に思い当たる事もないし…… なんでこんなモヤモヤするだよ! 自分が自分でイヤになる。 そんなぐるぐるしてる俺に、ほっしーは少しだけ言いにくそうに、話をし始めた。 「あのね、相原くん?」 「なに?」 「話したいことがあるんだ………」

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