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アイツのいない世界 30

感情が高ぶってどこにこの苛立ちを向けてわからず、俺はデカい声を出してしまった。 「相原くん!落ち着いてっ!」 「わかってる……わかってるよ!でも………!!」 忘れろと言われて簡単に忘れられたら苦労しねーよ!! 「僕も、ゆうちゃんがあまりにも自分勝手だから言ったんだ……どうしてもそうする気なら、理由を自分の口からちゃんと言いなって。」 「それで?アイツなんて言ってた?どうせヤダって言ったんだろ?」 俺様のアイツのことだからきっと、言うことなんて聞きやしないんだ。 「…………分かったって、」 「え………?」 「ゆうちゃん、分かったって。それで、今夜、相原くんに連絡するって言ってた。」 マジか…… アイツの性格上、ほっしーの言うことだって聞かないくらいなのに…… それほど本気ってことなのか? 「マジで連絡するって言ったの?!だってアイツ……」 「うん。今夜しか時間がないから今夜21時に連絡するから伝えてくれって。………あのさ、相原くん?ゆうちゃんは、約束は絶対に守る子だから……だから、ちゃんと帰りを待つこと伝えなよ?きっと、半年で帰ってくるから。」 「でも、正直わかんねーじゃん。何があったか知らねーけど、そこまで言うくらいなら半年過ぎる可能性だってあるわけじゃん?」 俺なんか、すげーマイナス思考かも。 もうっわけわかんなくなってきたじゃねーか!

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