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アイツのいない世界 36

俺の心無い言葉に俺たちの間の空気が止まる。 ……やっちまった…… こういう場合、性格上素直に謝ることが出来ない馬鹿な俺は、後悔ばかりが押し寄せてくる。 つくづく俺は馬鹿だ……… でも、そんな俺をよそに橘は、ため息をつきながら意外な事を口にした。 『………渚……オレがおまえの事を初めて“愛してる”って言った日の事覚えてる?』 なんだ、急に。 てっきり逆ギレされるものかと思ってたから拍子抜けしてしまった。 黒瀬先輩との事が片付いた夜、凄まじい勢いで抱かれた時、色々と恥ずかしい言葉も平気で囁かれた。 “好きだ”は数えきれないくらい言われてたけど、“愛してる”と言われたのはあの日が初めてで、今思い出しただけでも耳が熱くなる。 「………お、覚えて…る…けど……」 『……その後、もう一つ大事なこと言ったの覚えてるだろ?』 「………その後?大事な…こと……?」 あの日は、ホントに恥ずかしい言葉攻めのオンパレードで正直どれなのかかわらない。 『………それ言ったら、渚、イったじゃん。』 ────いつか、オレと…… あれか? いや、絶対あれだ。 「………もしかして、“いつか……”って言ったあれのこと?」 耳元であれを言われた瞬間……不覚にも俺はイったんだ……

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