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真夜中の密事 3
*
学校帰り、よくアイツと歩いた公園……
桜並木を抜けるとそこは丘になっていて、そこにも桜の木が立っている。
俺は、深緑の緑色一面の桜並木を息を切らせながら走り抜けその丘を目指した。
心臓が異常にドキドキしているのは走っているからなのか、
それとも………
携帯を取出し時間を確認すると、電話を切ってからちょうど1時間が経とうしている。
そして、いつの間にか目の前に現れた、暗黒に包まれた丘にひっそりと立つ桜は……少しだけ寂しそうに見えた。
俺たちがよく寄り道するのはこの丘の上だったから、多分ここに来れば居ると思ったけど……
アイツ、まだ来てないのか……
桜の木の下に腰をおろし、また携帯を開くと、23時をちょっと過ぎたとこだった。
約束の1時間後が過ぎても橘は現れず、刻一刻と不安が大きくなる。
いつも時間に遅れたことがないのに……どうしたんだろう……
まさか来る途中で事故にあったとか……
やっぱり気が変わった……とか
考えなくていいようなことまで考えて俺の頭ん中はマイナス思考一色になっていく。
あたり一面真っ暗で、耳鳴りがするほどの静けさの中、ドキドキと俺の心音だけがうるさい。
早く来いよ………
鳴り止まない心音を掻き消すかのように、膝を抱え顔を埋めると目を閉じ力なく呟いた。
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