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真夜中の密事 5

「…………ッ…んッ……んんッ…」 久しぶりの口付けは焼け付くように熱くて、息継ぎもままならないほど激しかった。 「………んんッ…ちょっ…待てってばっ……」 舌を絡め吸われ歯並びを舌先でなぞられ、下唇を軽く噛まれる。 いきなりだったから、待てとキスの合間に必死に言っても無駄で…… ゾクゾクとした濃厚なキスは、俺を溶かしてしまいそうなほど甘く、熱くて、言葉とは裏腹に俺も次第に夢中になっていく。 「………待てって言ってるわりに夢中になってんじゃん。」 「……んっ…う、…っせー……んんっ」 いつの間にか俺はこのキスが堪らなく好きになってしまった。 求められれば求められるほど、こいつの想いを強く感じられからかもしれない。 言葉にしなくても口付けを交わせば俺は……… 全て分かると思っていた。 全て大丈夫だと…… だけど、 そうではないこともある。 こいつがどんな気持ちでここへ来て、俺に会ったかなんて、今の俺にはわからないまま。 でも正直、今の俺にはどうでもいいこと。 こうして触れ合える距離にこいつがいる。 それが一番大事なこと…… そんな想いを感じながら、俺はキスに応える。 そっと背中に手を回せば、さらにギュッと抱きしめられ、耳の裏側へと唇は移動していく。 「ああッ……ん……」 「……ッ…ここ弱いもんな……渚…」 耳元で囁かれると、ぞわっと鳥肌が立つ感覚を覚え、だんだんと俺の下半身も反応してきだす。 気持ちいいけど、これ以上してたら歯止めが利かなくなる。

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