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真夜中の密事 9

もしかして橘のマンションかな……でも、カードキー俺持ってきたかな…? 橘と手を繋いでない方の手をポケットに入れガサコソしてると、ふいに橘がオレを振り返った。 「何やってんの、渚……」 「え?!いや、おまえんちのカードキー持ってきたかな…って思って……あれ?……どこに閉まったっけ……」 「別に今、それ必要ないから後にしろよ。」 「え?!だ、だって……マンションに帰るんじゃ………え?!何ここ……」 丘を下り茂みを抜け、たどり着いたとこは……… 「マンションまでなんて待てねーよ。ここなら渚の声も多少なら聞こえなくなるだろ。」 なりげなくなめらかに変態発言しながら指差す先に広がっていたのは、周りが木で覆われた……ちっちゃな公園だった。 森の中をすっぽりくりぬいたようなちっちゃな空間には、敷地のちょうど真ん中ある築山に滑り台が付いて、その周りにはブランコやよくある公園の遊具が並ぶ。 まるで公園の中にある公園て感じで、森の中の隠れ基地のような…… そんな不思議な異空間が広がっていた。 「こんなとこあったの……全然、知らなかった……」 「この公園って、すげーでけーから実は奥にはこんなとこもあるわけ。」 俺たちはいつも帰り道で歩く程度で寄り道も丘の上くらいだったから、確かにこんな奥まで来たのは初めてだった。 でも、ここのどこでするんだろう…… すると橘はあっちだと築山を指差し俺の手を引く。 「中、入れよ…………」 足を止めたとこは築山の下の部分……そこは中が空洞にくりぬいてあって、大人二人がギリギリ入れるくらいの空間が広がってた。

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