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真夜中の密事 32

「……んッ…ああッ…ああッ…」 「渚……ッ……駅弁、どう…?」 なっ……なんなんだ、この変態野郎。 どう?とか普通聞くか?! どうって聞かれても、俺はなんて答えりゃいいんだ。 確かに気持ちイイけど…… って、、、違う!違う! それ以上にこの格好の方が恥ずかしいっつーの!! 「………は、恥ずかしい」 だからとりあえず恥ずかしいと口にしてみたけど俺の返事が不満だったのか、橘の腰は急に突き上げるスピードを増してきた。 「……ちょっ……んんッ…激し……い!」 「……ッ…気持ちよくないのかよ?」 「は?!……ッ…なに?」 気持ちイイと言わない俺を、力ずくでも言わせたいのか、その後は無言のままで中を掻き混ぜてくる。 たくっ……結構世話が焼けるヤツだ。 でも、俺はそれすら可愛いと思ってしまうんだから相当こいつに夢中なんだと思う。 心の底から込み上げてくる愛しさに自然と頬が緩む。 「ふふ……」 「なんだよ、何がおかしいんだ」 思い通りにいかないとすぐ拗ねるくせして、俺の反応次第では途端に不安な顔になったりする。 そんなこいつが好きで好きでたまらない 気付かれないように俺はしがみついてる腕に力を入れ、その胸に顔を埋めるとその隙に好きと呟く。 そのまま今度はもうちょっと大きな声で精一杯の気持ちを口にした。 「………拗ねんなよ……ちゃんと、気持ち…イイ…から…ッ」 ドクドクと早い鼓動が耳から伝わり、俺の一言で更にそのドクドクはスピードを増す。 「………ッ……渚……可愛い……」 可愛いのはてめーだろ!って言う暇もなく、熱いそれが容赦なく俺の中を溶かして…… 「………んッんッ……おまえの…あ…熱い……」 「渚の中も熱いよ……すげー気持ちイイ…ッ…」 ぐらぐらと身体を上下に揺すられ、俺は落ちないように必死にしがみついた。 そして気付いたら俺の背中には築山の冷たいコンクリートの壁が迫ってて、突き上げながら橘は器用に壁に俺を押しつけるように固定する。

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