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真夜中の密事 35
「渚………こっち向けよ」
「…………やだ」
こういう時、素直になれないめんどくせー俺の性格。
少なくとも半年は会えなくなると言うのに……
それに、何となくだけど………違うかもしれないけど、
こいつの顔をまともに見たら、俺は泣いてしまう気がした。
そんな乙女思考な自分にイライラするけど、なんかさっきから胸が苦しいのは、そのせいのような気がして……
だから余計に、誤魔化すようにまた悪態を吐く。
「………仰向けは腰が痛てーんだよ、てめーが手加減しねーから。」
「…………ごめん。」
俺の髪を撫でながら、素直に謝る橘にまた胸が締め付けられ、思わず身を捩ってしまった。
いつもみたいに変態発言とかしねーのかよ。
いつもみたいに俺様発言だってしたって……
頭のどっかでいつも通りに軌道修正したいって思ってるのにでも空回りするばかり。
「…………別に…謝るほどのことでも…ねーし。」
「ちゃんと渚んちまで送るから……」
時間ねーならそんなことすんなよ。
だったら………
「………送らなくていい。」
「だって、腰痛いんだろ?」
「痛てーよっ!でも、送られるより……」
…………こうして触れ合っていたい
時間切れまで、ずっとこうして………
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