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真夜中の密事 38

「………ッ……ふっ…んっ」 「………ッ……ん」 名残惜しげにお互いの唇が離れて、俺はいたたまれなくなるのを感じ、そのまま視線を逸らしてしまった。 「うちまで…送る」 そうぽつりと呟いた橘もそれっきり黙ってしまった。 1分がこんなにも長くて、こんなにも短いだなんて……… 何か言わなきゃって、焦れば焦るほど言葉が出てこない。 そしてまたちょっとして橘が口を開いた。 「……あ、のさ」 「…………なに?」 「オレの携帯、一度解約するんだ。」 まぁ、半年だって海外行ってれば必要ないし…なんて、のんきにそっかと返事をしたものの…… ちょっと待てよ……… 今の時代、海外だって国際電話とかネットとかで簡単に連絡取れるんじゃないか? 「ちょっと待て、解約しても時々は俺と、何らかの形で連絡取れるんだろ?」 「………いや。」 「………は?……なんでだよ。」 「……まさか、こんな風に会うことになるなんて思ってなかったし、それにオレ…中途半端嫌いだから渚には連絡しない。」 ほんのちょっとだけ上がった気持ちが一気に下降した。 「……マ、マジで言ってんの?」 「……………あぁ。」 なんだよ、散々好きだとか言っときながら結局俺ばっか必死みてーじゃん。

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