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真夜中の密事 39
「………渚?なに拗ねてんだよ。」
「す、拗ねてねーし!!」
連絡しないて言われたことにムカついてる自分にすげームカついて、最後の最後に喧嘩とかありえねーのに、口調は荒くなるばかりだった。
「まさか、オレが連絡しないって言ったのに拗ねてんのか?」
「し、知らねーよ!もう、いいっ!!………俺、帰るから!!」
「ちょっと待てよ!!そんな身体じゃ歩けないだろ!!」
「うるせー!!俺のことなんかほっとけばいいだろっ!!」
こんな別れ方は一番最悪なパターンだって分かってるのにどうにもならなくて、俺は橘を怒鳴り散らした後、腰がガクガクするのも構わず歩きだす。
「渚!!ちょっと待て!!」
足を一歩前に踏み出す度に全身がギシギシする。
しかもケツは擦れて痛てーし。
こんな身体じゃ、すぐに追いつかれるのは目に見えてるのにな……俺ってつくづく馬鹿だ。
だけど、今はこんな泣きそうな顔は見せたくないから必死に歩いた。
俺ばっか必死で、半年なんてアイツにはどうってことねーのかもしんねーけど、俺には長すぎなんだよ。
連絡が取れないことより、こんなことでイライラしてる自分が情けない。
わかってるんだよ、わかってるけど、なんか……なんか……頭ん中がぐちゃぐちゃで気持ちを上手く整理出来ない。
どうして俺はこんなに心が狭いんだ……
もう、ヤダ。
こんなんで半年なんて待てる自信がない……
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