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真夜中の密事 41
……ひたすら謝る橘はすげー苦しそうな顔をしてて、
また俺、困らせちまったって思うじゃん……
だから、俺もやっぱりちゃんと謝ろうと思って口を開こうとしたら、橘を呼ぶ誰かの声で完全にタイミングを逃してしまった。
「優人坊っちゃん!!」
その人は、そう叫ぶと俺たちのとこまで歩み寄ってきた。
「……お、おい…離れろよ。迎えだろ?」
「……あぁ。うちの爺紹介する。」
あぁ、噂のセバスチャンか。
「坊っちゃん!もういい加減時間がありませんよ!」
「あぁ、わかってるよ。爺、こいつが渚……」
その人は俺に深々と頭を下げると、ひっついてる俺たちに何を言うわけでもなく、穏やかに話し出した。
「はじめまして、渚様。坊っちゃんのお世話をしております、廣瀬と申します。……坊っちゃんがいつも色々とお世話になっているようで…お話は伺っておりますよ。」
「……は、はじめまして、相原 渚です……あ、あのぉ…お世話だなんて…」
しどろもどろになりながらもなんとか自己紹介をしてみたけど、噛みまくりで俺馬鹿丸出し。
そんな俺に優しく微笑んでくれたセバスチャン……いや、廣瀬さんは、こんな夜中でももちろん燕尾服だし、白髪混じりの髪もきちんと整えられてて、いつもよれよれの格好してるうちのじーちゃんとは大違い。
穏やかな顔立ちもすげー品があって、なにより優しさが顔に滲み出ていた。
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