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運命の悪戯 4

「あんな別れ方、僕も反対だったから会えたならよかった。これでもう…ゆうちゃんもおかしなこと考えないね。」 「半年で必ず帰るって…言ってた。あ、あと廣瀬さんにも会ったよ。めちゃくちゃ優しいじーちゃんだった。」 「廣瀬さんにも会ったんだね。廣瀬さんはゆうちゃんのこと自分の孫のように可愛がってきたから、今回の件もすごい心配してたんだ。」 廣瀬さん……やっぱり橘のことすげー大事にしてるんだな。 「廣瀬さんは橘とは行かなかったんだよな?」 「多分……。ゆうちゃん、一人で行くって言ってたし。」 「一人?!マジで?!」 高校生が一人で海外とか…俺ぜってー無理。 一人で国内旅行だってしたことない俺には未知な話だ。 「あ、向こうに両親は居るみたいだけどね。」 「そ、そうなんだ……」 なんか、すげー アイツ、マジ金持ちの一人息子って感じ。 「あの……さ、廣瀬さん何か言ってた?……ゆうちゃんのことで……」 「何かって?これからもよろしくお願いします、とは言われたけど……」 「そっか。相原くんにはまだ………」 なぜか急に切り出されたほっしーからの問いかけ。 それに何の疑問も抱かずに答えたけど、返ってきた返事は歯切れが悪く更には予備のチャイムに言葉尻は掻き消されてしまった。 「何?最後聞こえなかった。」 「ごめん、何でもない……時間だから教室行くね。」 ほっしーは何が言いたかったんだろう……

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