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運命の悪戯 6

* それから向井とは、なんとか今まで通りの距離感に戻った。 そして橘と離れてから数日経った放課後……久しぶりにその向井と一緒に帰ることに。 「なんか向井と一緒に帰るとか久しぶりだな。」 「確かに。おまえ、生徒会絡みでここ数ヶ月ずっと忙しそうだったからな。」 駅に向かいながらそんな会話で思い出す…… 生徒会=アイツ 元気かなぁ…… あれからまだ数日しか経ってないのに、出会ってから毎日一緒に居すぎたせいか、離れてからの1日がやたら長く思う時がある。 「はぁ………」 「おい、急にどうしたんだよ?!」 「あ、いや、なんでもねーよ。そういやぁ、相談したいこあったんだろ?」 相談したいことがある…って言われてたことをすっかり忘れてた俺は、これ見よがしに話をそっちにそらした。 「あぁ……うん。実は……俺の彼女が……」 やっぱり向井、彼女居たんじゃん。 頭の片隅にうっすらと残る、あの保健室でのことを思い出し、やれはやっぱり一時の気の迷いだったんだと確信する。

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