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運命の悪戯 18
「………はぁ、………はぁ……」
イった余韻を味わうわけでもなく、荒い呼吸が整う頃に襲うなんともいえない虚しさ。
手の中の白い液体をぼんやり見つめていると、みるみるうちに現実に引き戻されていく。
…………夜中になに盛ってんだよ、俺
しかも、めちゃくちゃ声出しちまったし……
とにかく、吐き出した白濁を片付けようとベッドから降りると、足元に何かが当たって危うくそれを踏んづけてしまうところだった。
薄明かりの下、見下ろせば俺の携帯が転がっている。
……たくっ、携帯落ちたの気付かねーほど夢中だったっつーことかよ。
ティッシュでベタベタな手のひらを拭きながら、力なく悪態を吐く。
射精後の脱力感と胸の中に残り続けてる苛立ち。
久々に出したことでスッキリする筈が、気持ちは余計に重くなった。
やっぱり……一人は虚しいだけだな……
アイツが隣に居ないことを余計に痛感してしまった今は、マイナスな気持ちになる一方だ。
………ダメだ、寝よう
だから余計なことを考えないように、ベッドに横になり無理矢理目を閉じた。
だけど案の定なかなか寝付けず、何度も寝返りを打ち浅い睡眠のまま朝を迎えた……
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