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運命の悪戯 19

「……にーちゃん、おはよう」 「……お、おはよう。」 「にーちゃんどうかした?」 「え?…何が?」 「なんか今朝は挙動不審の人みたいだよ?」 「は?!き、気のせいだろ?!」 「ふーん。誰かに追い掛けられる夢でも見たんじゃないの?」 「そ…うかもな。」 幸い、昨夜のことはなんとか家族にはバレなかったみただ。部屋が隣の湊に気付かれてないなら大丈夫だろう。 俺より熟睡タイプの湊は一度寝たら余程のことがない限り起きないからいつも一人でする時も気付かれたことはない。(多分) でも、昨日は声がありえないくらいデカかったからびくびくしちまったけど、取り越し苦労だったみたいだ。 「さてと、じゃあ先に行くな。」 「え?!今日早くない?!」 「たまには早く行くんだよ、湊もさっさと学校行けよ!」 そしてボロが出る前にと逃げるように家を後にし、いつもより早い時間だけど俺は学校へと向かった。 ──────── ────── いつもは遅刻ギリギリになって学校に着くことが多いから、生徒なんてちらほらしかいないけど、今日は早めに出たから学校に近づくにつれ生徒も多い。 そんな人混みの中、あと少しで校門てとこで前を歩く向井を見つけた。 「向井!おはよう!」 駆け寄り肩に手を掛け、いつものように声をかける。 「………相原、おはようって、今日早くないか?!」 「まぁな、……つか、え?!おまえ…その顔、どうしたんだよ?!」 振り向いた向井は、いかにも具合が悪そうな顔をしていて、どうも様子がいつもと違っていた。 「………顔?」 「大丈夫か?すげー具合悪そうな顔してるし、顔ちょっと赤くね?熱でもあるんじゃねーの?」 肩に乗せてた手を何のためらいもなく額へと伸ばすと、やんわりと払われた。 「大丈夫だよ、ただの寝不足。」 「………そう…か。」 なんだろう、この違和感。いつもと何かが違う。 俺を遠ざけようとしてるのか……なんかそっけない。 それに、さっきから……俺と一度も目を合わせてくれない。 ………俺、なんかした?

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