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運命の悪戯 20

「………向井?」 「相原、なにいつまでも突っ立ってんだよ、行くぞ。」 「…………う、ん。」 やっぱりだ……… 目も合わせてくれない上になんか態度が心なしか冷たい。 マジで俺、アイツが気に障ることしたか? ……いや、全く思い浮かばない。 とりあえず落ち着こう。それから考えることにしようと…と、モヤモヤする頭ん中をなんとか宥め、向井の後を追い掛けた。 その後、授業中も向井の顔をチラチラ覗き見しつつ原因を考えてみたけどさっぱり。 もういいや。と、諦め机に顔を伏せてふてくされていると、いつの間に寝てしまった。 「………おい、相原?」 「…………。」 「……相原、起きろって!」 「………ッ……な、んだよ…うるせーな……」 「いつまで寝てんだよ、行くぞ。」 いつの間にかぐっすり熟睡しちまった俺。 向井に叩き起こされて、昼休みになったからメシに行くぞと寝ぼけたまま屋上に連れて来られた。 屋上に上がる階段を登りながら少しずつ眠気も覚め、忘れてた朝の出来事を思い出す。 「……なあ?なんで朝機嫌悪かったんだよ。」 「……………。」 シカトかよ。 しかも、屋上でお昼とか初めてだし。 いつもは他の友達と大勢で食べることが多いのに、今日は何かにつけていつもと違う。

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