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運命の悪戯 27
「……あーなんつーか、大丈夫だって!マジで迫られたら蹴り入れてやるからさ!」
「あぁ。………マジで何かあったらすぐ言えよ。」
「……う、うん。」
「じゃあ、俺たちも戻るか。」
「そ、そうだな。」
この前も思ったけどこいつがこんなに俺に執着し始めたのって橘が関わってきてからだよな。
その前は俺がたまに男に告られた話したって、笑って付き合っちゃえば?とか言ってるだけだったのに……
向井の後ろを歩きながら、そんなことを思い出してしながら考えていると、ふいに向井が振り向いてびっくりした。
「あのさ……」
「え?!なんだよ、急に振り向くからびっくりすんじゃん。」
「………あ、ごめん。」
「で、なんだよ」
「……………やっぱいいや。」
なんなんだよ。
つーか、そういやぁさっきも望月に話中断されたよな。
「なぁ?さっき、望月が邪魔に入って話中断しちまったじゃん。なに言い掛けたんだ?」
「もう、いい。俺の勘違いだったのかもしれないから。」
「は?何が?!」
「なんでもねーから気にするな!」
「なんだよ、へんなのー」
この時俺は気付いていなかった。
運命の悪戯によって、こいつがどんな思いをしていたか。
そして、
俺たちの親友の絆がちょっとずつ形を変えてきていることに────
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