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第11章 友達以上、恋人未満 1

──────── ───── 「じゃあ、俺これから生徒会あるから。」 「おう、望月に気をつけろよ。」 「う、うん。」 屋上でのあの出来事から俺と向井の間には微妙な距離感が残ったまま。 そして、生徒会の定例会議の度に望月のことを心配してくる。 そんなグレーな気持ちのまま、気付いたら橘と離れて1ヶ月が経っていた。 そして、気付けば6月も半ば。 しかも来週にはめんどくさい文化祭がある。 うちの学校は一応進学校だから、毎年文化祭は秋ではなく6月に行う。 3年が受験でそれに響かないようにっていう配慮らしいけど、いっそ文化祭なんてなくしてもらっても俺的には全然いいんだけど…… あーめんどくさい。 しかも今年は生徒会の役員…… 非常に迷惑極まりない。 * 「ほっしーは文化祭めんどさくねーの?」 「そうだね、今年はちょっと大変そうだよね。でも役員だから、仕方ないかな。」 「俺はそんな大人発言出来ねーよ。めんどさくて仕方ねーもん。」 「そこ!二人とも無駄口叩いてんじゃねーよ!ちゃんと聞け!!」 定例会議では案の定、文化祭についての話し合いもされた。 来週にはもう文化祭当日だけあって、いつもチャラチャラしてる望月も今日は珍しく真面目だ。

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