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友達以上、恋人未満 3

そして、 文化祭当日。 俺はほぼ自由時間なしで生徒会としての仕事三昧…… 最悪だ………… 俺の時間が空く昼間に向井と合流して、俺たちは他のクラスを見たり体育館を覗いたりしてわりと楽しく過ごした。 そしてあっという間に時間は過ぎ、これから生徒会の本部へ集まりパトロールの引き継ぎ。 その前に俺たちは殆ど人がいない校舎裏の外階段に腰掛け、一息付いた。 この場所だけ遮断されたように静かで、生徒達の笑い声や叫び声は遠く微かに聞こえるほどだ。 「相原はこれから本部に戻るんだろ?」 「そうなんだよ、めんどくせーし、俺もクレープ食べたい!」 俺たちのクラスの出し物は、クレープ。 王道も王道で笑える。 クレープに決まった理由も自分たちが食べたいモノだからって理由だけ。 俺は生徒会の方が忙しいから手伝いは免れたけど、向井はこれから手伝うらしい。 「生徒会なんか入ったのが悪いんだよ、仕方ねーじゃん。」 「だっ……だって。」 橘が無理矢理俺を道連れにしたんだ! 俺だって!俺だって! 「俺だって!好きでなったわけじゃねーし!アイツが……」 そこまで言って、最後の言葉が尻つぼみになる。 あの屋上での出来事以来、向井の前ではなんとなく橘の話題は出さないようになっていたから。 「相原?」 「あ、いや。なんでもない。じゃあ俺、そろそろ行くわ。」

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