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友達以上、恋人未満 5

* 本部へ向かう途中、俺はありえないくらいぐるぐるしていた。 どうもギクシャクする。 うまく言えないけど……向井との距離感て言うか、何かが今までと違う。 俺が好きなのは橘だ。 なのに、アイツ以外の男にドキッとするとか俺、どうしちまったんだ?! 男が男にドキドキとか…… ぜってーおかしいっ!! きっと橘がいなくてちょっと人恋しくなってるだけだ。 だから、いつもなら何とも思わないことにも反応しちゃってるだけだ! そうだ、そうだ!! 必死に自分で結論付け、でもまだ頭の中はぐるぐると渦巻いている。 あーもう!! ガッチャン!! え?! 「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?!」 気付いたら目の前の光景に唖然とした。 それは、突然現れた女の子が持っていたであろうコップが割れ、俺の周りに散乱していたから。 俺がさっき勢いで腕を振り上げた拍子にぶつかって落ちて割れたんだろう。 なのに、その子は自分が持っていたコップより俺の方をやたら心配してくれている。 「あの、怪我とかしませんでしたか?!破片とか……」 「あ、いや……俺は大丈夫。そっちこそ怪我しなかった?てか、俺のせいだよね……コップ割れちゃったの……ごめんね。」 「いえ、私もぼーとしてたんで私も悪いんです。すみません、制服少し濡れちゃいましたよね……?」 「これくらい大丈夫、大丈夫。」

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