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友達以上、恋人未満 6

制服が濡れることくらい別になんともねーし、それよりコップは弁償した方がいいのかそっちが気がかりだ。 「あの……さ、割れちゃったコップ、弁償しないと……」 「いえ、気にしなくても大丈夫です!!」 「でも………」 「本当に大丈夫ですから!!」 その子が自分のハンカチで濡れたところを必死に拭いてくれ、しきりに大丈夫と言うからそれ以上何も言えず、とりあえずおとなしくされるがままでいた。 しばらくして、必死に拭いていた手も止まり、本人もさっきよりは落ち着いてきたように見える。 「………本当にすみませんでした。」 そして謝りながらその子が顔を上げた時、同時に顔を上げた俺とはじめて視線が合って……… その子をまじまじと見てみたら…… ………めっちゃ可愛い!! あ!この感覚だよ! 俺だってまだ女の子見てドキドキするんだ! さっきの向井のドキドキはやっぱり人恋しくて血迷っただけだ!! 「……あーよかったー」 「え?」 「あ、いや。なんでもないです。」 俺……急に敬語とかメチャクチャ意識しちゃってるじゃん! 「あの………」 「はい?!」 「もしかして……相原くんです、か?」

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